地デジアンテナ2本を混合して別方向の局を見たい場合は、希望する局と送信所、混合器の対象帯域・通電仕様を合わせて確認します。既設の受信が不安定な場合も、二つの入力と混合後の測定結果から修理・交換を判断します。
最初に、今見ている局と追加したい局、映りが乱れる部屋や日時を控えてください。自分で確認するのはテレビの表示や手元の施工書類までです。屋根上の方向調整・増設・混合器交換や給電変更は、転落や機器トラブルを避けるため施工者へ任せます。
賃貸や集合住宅の共用設備は、管理会社・管理組合へ希望局と症状を伝え、変更できる範囲を先に確認します。部品を買う前に、局別調査と機器条件を説明できる電器店やアンテナ工事業者へ相談すると、不要な交換を避けやすくなります。
地デジ2本の混合は、地デジとBSの混合配線とは条件が違う
地デジの送信所が別方向にある場合、2本のUHFアンテナで受けた信号を混合する方法があります。マスプロの公式FAQもUHFミキサーを案内しています。ただし、2本をまとめるだけで、希望する全局の受信が保証されるわけではありません。
UHFは地デジが使う周波数帯です。地デジとBS/CSを混合する場合は異なる帯域の信号を扱いますが、地デジ2本は同じUHF帯の二系統です。地デジ入力と衛星入力を持つ混合器を、そのまま2本用として選ばないでください。

図は受信する二方向と混合の関係を示す概念図です。端子のつなぎ方や配線手順は示していません。どの局をどちらの入力から取り込み、混合後に受信できるかを施工者が調べるための整理として使います。
UHF用にも広帯域の混合器と特定地域向けの混合器があり、対象帯域や給電条件は機種ごとに違います。既設設備の修理でも、取り付いている混合器の名前だけで同じ形の代替品を決めないことが大切です。
混合の相談では、見たい局と二つの送信所を先に整理する
まず整理するのは、増やすアンテナの本数ではなく見たい放送局と、現在映っている局です。テレビに表示される局名を控え、別方向から受信したい局と、既設設備で不安定になった局を分けて施工者へ伝えます。
機器の仕様にある「13~28ch」などは、電波の周波数に対応する物理チャンネルです。リモコンのボタン番号とは別です。たとえばテレ玉の公式案内は、浦和・児玉・秩父局の物理チャンネルを32ch、埼玉県のリモコン番号を3と説明しています。
見たい局を「リモコンの3」とだけ伝えても、混合器の帯域に合うかは判定できません。局名と地域を示し、受信対象の送信所・中継局と物理チャンネルは、現在の放送情報と現地測定で施工者に特定してもらいましょう。
- 今見ている局と、追加して見たい局の名称
- 映らない局、映像が乱れる局、安定して映る局の違い
- 症状が出る部屋・テレビと、発生した日時や天候
- アンテナが2本あるか、既設工事の書類に送信所・機器型番があるか
- 視聴したい部屋、賃貸・共聴設備の所有者と管理者
送信所が分からなくても、屋根へ登ってアンテナの向きを確かめる必要はありません。地上から見える範囲の写真と手元の書類を使い、未知の情報は調査項目として渡してください。
地域の受信エリアや送信所を調べる入口は、次の記事で確認できます。地図だけで混合後の受信を決めず、二系統それぞれの測定につなげることが必要です。
地域用UHF混合器の対象チャンネルと通電仕様を確認する
特定地域用の混合器は、どこでも使える地デジ2本用の万能部品ではありません。例として、日本DXアンテナのUUM-204Jは関東地区用で、関東広域局と千葉局、または埼玉局を混合する製品です。
2026年10月13日に確認した現行仕様は次の通りです。ここでの入力系統は、仕様表のチャンネル帯を見分けるための呼び方です。実際の入力端子と接続先の照合は、施工者へ依頼してください。
| 入力系統(UUM-204Jの例) | 対象チャンネル帯 | 通電仕様 |
|---|---|---|
| 低いチャンネル帯側 | 13~28ch | 非通電 |
| 高いチャンネル帯側 | 30~52ch | 非通電 |
この表は製品の適用範囲を示す例です。仕様の二つの帯域には29chが含まれていません。対象局がどの帯域にあるかを照合せず、「関東に住んでいるから使える」と判断しないでください。
また、テレビ信号が通ることと電源を送れることは別です。非通電のUUM-204Jへ交換する案では、アンテナ側のブースターなどに必要な電源が、別の経路を含めて確保されるかを施工者に確認してもらいます。
一方、マスプロの広帯域UHFミキサーMXHUD-Pは、電流通過のスイッチを備える製品です。同じUHF混合器でも通電の扱いは一様ではありません。読者がスイッチや給電経路を変更せず、採用機種の仕様と既設構成を合わせて調べてもらってください。
受信が不安定な2本混合は、入力別と混合後を分けて調べてもらう
既設の2本混合で受信が不安定なときは、混合前の各入力と、混合後の結果を分けて調べてもらいます。混合前から不調なのか、混合を通した後に変わるのかで、確認する部品や交換案が変わります。
混合前の地デジ二系統は、局別の受信状態と給電経路を確認する
施工者には、アンテナAとBの各系統について、送信所、局名、物理チャンネル、測定場所をそろえて記録してもらいます。見たい局ごとに、どちらの系統からどの状態の信号が入ってくるかが出発点です。
マスプロの地デジ測定様式にも、送信塔・放送局・チャンネル・測定箇所、端子電圧、BER、MERの欄があります。BERやMERは受信品質を調べる指標です。値を並べるだけでなく、施工者から判断の説明を受けてください。
受信レベルだけでなく品質も見る理由は、画面の乱れだけでは信号が弱いと断定できないためです。MXHUDの取扱説明書も、デジタル放送は電波が弱すぎても強すぎても同じような症状になると注意しています。
混合前の一方だけで希望局を安定して受けられていない場合は、その系統のアンテナ・配線などを先に調査する必要があります。混合器の交換だけを発注して、入力の不調をそのまま残さないようにしましょう。
給電が必要な増幅部や電源部がある場合は、どの経路から電源が届くかも確認してもらいます。「電流通過型なら全部ON」といった操作はできません。MXHUDの説明書にも、接続機器によって通電設定を分ける条件があります。
混合後の地デジは、視聴したい局が各室まで届くかを確認する
各入力の状態を確認したら、混合後と、実際にテレビを使う部屋の端子で希望局を測ってもらいます。同じ局・物理チャンネルで結果を比べると、混合から各室までのどこで変化したかを調べやすくなります。
記録は「追加した局が映った」だけで終わらせず、それまで見ていた局も保たれているかを含めます。リビングでは映っても寝室で乱れるなら、混合器だけでなく分配後の経路も確認対象になります。
混合器を通すと信号に損失が生じるため、混合前が良好でも各室の受信をそのまま保証できません。対象機器の仕様と局別の測定結果で判断します。ブースター追加や全交換を、画面の一症状だけから決めないことが大切です。
「片方の入力で不調がある」「入力は良いが混合後に変わる」「混合後は良いが特定の部屋で変わる」という違いを説明してもらえば、修理する箇所と残す設備を絞りやすくなります。単独入力への切替や測定も施工者へ任せてください。
2本混合の修理・交換は、対象局と成立条件が書かれた案で依頼する
依頼する案は、対象局・機器仕様・混合前後の確認結果がつながっているものを選びます。「アンテナ2本と混合器を付ける一式」という記載だけでは、目的の局に合う工事か分かりません。
- 受信対象:局名と送信所・物理チャンネルの確認結果
- 採用機器:混合器の型番、対象帯域、通電・給電の成立条件
- 修理・交換範囲:残すアンテナや配線、交換する部材とその理由
- 完了確認:追加局と従来局、確認するテレビ端子・部屋
- 追加作業:未確認箇所、追加が必要になる条件、内容と金額を合意する時点
調査前に希望する全局の受信を無条件で約束された場合は、どの送信所・機器・測定を根拠にしているか確かめます。未確定の局は未確定のまま記録し、成立条件を確認してから工事範囲に合意してください。
相談先は、二系統のUHF受信と局別測定に対応する地域の電器店やアンテナ工事業者です。賃貸・集合住宅の共用設備は、先に管理会社や管理組合へ対象局と症状を伝え、工事を依頼できる範囲を確認します。

