テレビを見るためにアンテナ工事を検討しているものの、地デジとBS/CSの違いや必要な機材が分からず迷っていませんか。
実は放送方式が根本的に異なるため、必要なアンテナも配線の仕組みも大きく変わります。
この記事では、受信方式の基本から実際の配線、工事費用まで、テレビアンテナ設置に必要な知識を分かりやすく解説します。
地デジとBS/CSは何が違う?放送方式を比較表で理解
地デジとBS/CSの最も大きな違いは、電波の送信元と受信方法にあります。以下の表で整理しましょう。
| 項目 | 地デジ | BS/CS |
|---|---|---|
| 送信元 | 地上の電波塔 | 人工衛星 |
| 受信方法 | UHF帯の電波(地上波) | 衛星からの電波 |
| 必要なアンテナ | 地デジ専用アンテナ | パラボラアンテナ |
| 料金 | 無料 | BSは一部無料、CSは有料 |
| 受信条件 | 電波塔からの距離・障害物 | 南西方向に障害物がないこと |
地上デジタル放送(地デジ)は、地域にある電波塔から各家庭へ電波が届く仕組みです。一般的にUHF帯(470~710MHz)という周波数帯を使用しており、建物や山などの障害物があると受信品質が低下する場合があります。
一方、BS放送は東経110度の位置にある人工衛星から日本全国に一律で放送されるため、地域による差はほとんどありません。メーカーによると、11.7~12.2GHzという高い周波数帯の電波を使用しており、衛星のある南西方向に障害物がないことが受信の条件となります。雨や雪などの天候の影響を受けやすい点も特徴です。
CS放送は映画やスポーツなど専門チャンネル中心の有料衛星放送で、視聴には別途契約が必要です。
なお、4K8K放送はBS/CSのみで視聴可能で、従来とは異なる電波(左旋電波)を使用するため、対応機器が必要になります。
アンテナは2種類必要!地デジとBS/CSで選び方が違う理由
地デジとBS/CSでは受信方式が異なるため、それぞれ専用のアンテナが必要です。地デジ用アンテナではBS/CSを見ることはできません。
地デジアンテナは電波の強さで選ぶ
地デジアンテナの3タイプについて、特徴や適した環境をまとめた比較表を作成しました。
地デジアンテナ 3つのタイプ比較
| 項目 | 八木式アンテナ | デザインアンテナ | ユニコーンアンテナ |
|---|---|---|---|
| 形状 | 魚の骨のような形状 | 薄い箱型(パネル型) | ポール状(円柱型) |
| 設置場所 | 屋根の上など高所 | 外壁・ベランダ・屋根裏 | 屋根の破風板・壁面の上部 |
| 受信性能 | 最高(弱電界地域に強い) | 中〜低(強・中電界向け) | 中(高さを稼いで補う) |
| 外観・意匠性 | 目立ちやすい | 非常に良い(目立たない) | スタイリッシュで目立ちにくい |
| 耐久性 | 風雨の影響を受けやすい | 高い(壁面設置で劣化しにくい) | 高い(風を受け流す形状) |
| 設置費用 | 比較的安価 | 標準的 | やや高め |
地デジアンテナには主に3つのタイプがあります。
八木式アンテナは魚の骨のような形状で、受信性能が最も高く、電波が弱い地域(弱電界地域)でも安定して受信できます。ただし、外観が目立ちやすく、風雨による劣化も早めです。
デザインアンテナは箱型で壁面に設置でき、外観を損ねず耐久性にも優れています。ただし、電波が弱い地域には不向きです。
ユニコーンアンテナは円柱型の新しいタイプで、性能と外観のバランスが取れていますが、費用はやや高めになります。
アンテナ選びで重要なのが、お住まいの地域の電波の強さ(電界強度)の確認です。一般的に、電波の強い地域(強電界)ではデザインアンテナでも十分ですが、電波の弱い地域(弱電界)では八木式アンテナが推奨されます。
BS/CSアンテナは4K8K対応かどうかで選ぶ
BS/CSアンテナはパラボラアンテナと呼ばれる円盤型で、直径45~50cmが一般的です。
従来の2K放送のみを視聴する場合と、4K8K放送にも対応する場合でアンテナが異なります。4K8K対応アンテナは両方の電波に対応しており、将来的な視聴も見据えるなら4K8K対応を選ぶとよいでしょう。
ただし、4K8K放送を視聴するには、アンテナだけでなく配線ケーブルやテレビ、レコーダーなど周辺機器もすべて対応製品にする必要があります。
配線で重要な3つの機器とは?分配器・分波器・ブースターの役割
アンテナで受信した電波をテレビまで届けるには、適切な配線と周辺機器が必要です。特に重要なのが次の3つです。
分配器と分波器は全く別の機器
分配器と分波器は名前が似ていますが、役割が全く異なります。
分配器とは:1本のアンテナケーブルを複数の部屋に分ける機器です。2台以上のテレビで視聴する際に使用します。BS/CSアンテナを使用する場合は、電流を通過させる「電流通過型」の分配器が必須となります。
分波器とは:地デジとBS/CSの電波を分離する機器です。テレビやレコーダーの近くで使用し、1本のケーブルから地デジとBS/CSそれぞれの端子に接続します。
ブースターは分配数や電波の強さで必要性が変わる
ブースターとは:電波を増幅する機器。
一般的に、4分配以上に分ける場合や電波が弱い地域では必要になることが多いとされています。ただし、電波が強い地域で分配数が少ない場合は不要なケースもあります。
アンテナケーブルは4K8K対応が必要な場合も
アンテナケーブルは、4K8K放送を視聴する場合、3224MHz対応の高品質ケーブルが必要です。従来のケーブルでは対応できないため注意しましょう。
また、デジタル放送の視聴には、B-CASまたはACASカードが必須です。これらは暗号を解除するためのICカードで、テレビやレコーダーに差し込んで使用します。
アンテナ工事の費用相場はいくら?種類別に解説
アンテナ工事の費用は、アンテナの種類や設置環境によって大きく変動します。
地デジアンテナ工事は1万5千円~5万円台
地デジアンテナ工事の相場は、一般的に15,000~50,000円程度です。八木式アンテナが比較的安価で、デザインアンテナやユニコーンアンテナは高めになる傾向があります。
BS/CSアンテナ工事は1万5千円~6万円台
BS/CSアンテナ工事は15,000~64,000円で、2K対応か4K8K対応かで価格が変わります。
工事費用に含まれるもの
工事費用には、アンテナ本体、設置工事費、配線工事費、ブースターや分配器などの部材費が含まれます。ただし、設置場所の条件や必要な配線の長さによって追加費用が発生する場合があるため、事前に見積もり内訳を確認することが重要です。
依頼先による費用差も見られます。メーカーによると、専門業者に直接依頼する方が、家電量販店やハウスメーカー経由よりも安くなる傾向があります。これは仲介手数料の有無による差です。
複数の業者から相見積もりを取ることで、適正価格を見極められます。
工事期間は即日~1週間程度、当日の作業時間は1~3時間が目安です。繁忙期は予約が込み合うため、余裕を持って依頼しましょう。
長期的に見るとアンテナ設置が最もお得
テレビを見る方法は、アンテナ以外に光回線やケーブルテレビもあります。一般的に、初期費用はアンテナが最も高くなりますが、月額料金がかからないため、10年単位で見るとアンテナ設置が最も経済的です。
アンテナの寿命は10~20年が目安とされており、一度設置すれば長期間使用できます。ただし、設置環境によって寿命は短くなる場合もあるため、定期的な点検をおすすめします。
まとめ:地デジとBS/CSは別のアンテナと配線が必要
地デジは地上の電波塔から、BS/CSは人工衛星から電波を受信するため、それぞれ専用のアンテナが必要です。
配線では分配器と分波器の違いを理解し、BS/CS視聴時は電流通過型の分配器を選ぶことが重要です。また、4K8K放送を視聴する場合は、アンテナだけでなくケーブルや周辺機器もすべて対応製品にする必要があります。
アンテナ工事の費用は15,000~64,000円程度が相場ですが、設置環境や必要な機材によって変動します。信頼できる専門業者から相見積もりを取り、保証内容も確認した上で依頼することをおすすめします。
